【工房訪問】ほのぼの優しさが詰まった有田焼 大日窯
Posted by 店主せきね on
当店で取り扱いをいたします「大日窯」さんのご紹介です!
大日窯さんは親子で民藝の有田焼を制作されています。
有田焼は言うまでもなく日本を代表する陶磁器で、佐賀県有田町とその周辺で作られる磁器を指します。17世紀初頭、朝鮮人陶工の李参平により、有田町で磁器の原料となる陶石を発見したことにより、日本で初めて時期が焼かれた地として約400年の歴史があります。毎年ゴールデンウィークに開催される有田陶器市は、全国各地から100万人以上訪れる国内最大級の陶器市です。
佐賀県有田町の工房にお邪魔しました!
大日窯さんは有田町の中心部から少し離れた、のどかな畑に囲まれた場所に店舗兼工房があります。
レンガの煙突に描かれた可愛らしい大日窯の文字!

昭和33年(1958年)に開窯。今は三代目の久保博志さんが成形を担い、お母さまのトシエさんが絵付けをされています。残念ながら現在請け負っている仕事をこなした後は、約60年の歴史に幕を閉ることを決められているそうです。
一般的に有田焼は高級品で素地の真っ白い美しさが特徴ですが、大日窯さんは、柔らかな白の普段使いの食器を作られてています。素朴さを出す為、天草の土(こてつ)を使用し、少しくすんだ色合いの白磁も製作しています。有田焼では唯一の日本民藝協会が指定する窯元です。
初期伊万里の伝統を守り、シンプルで使いやすいものを。トシエさんは大日窯にお嫁に来られてから絵付けを始めたんだそうです。お話しているとこちらも心が温まる優しいお人柄が絵付けにそのまま表れているようです。
山から採ってきて作る自家製の呉須。代々受け継がれた調合です。自然のものなので安定せず扱いが難しいそうですが、その分自然由来のやさしい色合いが表現できます。
落ちそうで落ちない蓋の醤油さし。危ないっ!でも大丈夫です。
相当傾けても落ちません。ビビりの店主はこれが精いっぱいですが(汗)
撥水加工を施しているので液だれはしません。お醤油は毎日使うものなので、傾けても蓋が落ちない、液だれしないのは本当に助かります。
醤油さし サビ格子
醤油さし 小花
1300℃の温度で約17~18時間焼成。とっても丈夫な磁器の器は、なんとオーブンもOK。もちろん、電子レンジや食洗器も問題なく使えます!
小食の方に人気の小さめのめし碗。「このくらいのサイズが欲しかった!」という多くの喜びのお声が届く人気商品。
めし碗 小 こてつ 小花
めし碗 小 こてつ 黄花
開業するときに和尚さんの'「大」を付けた方がいいというアドバイスのもと、本来考えていた日窯から大日窯に。歴史を感じる佇まいの看板です。
日々の食事の時にいつも手に取ってしまう器。約60年の間、そんな食器を多く作られてきた大日窯さんは、全国のファンから惜しまつつの廃業となります。まさにお日様のように、多くの人たちの「食べること」をあたたかく照らしてくれていたうつわ。残念ながら取り扱いは今回限りとなりますが、とっても素敵なお品ありがとうございました!最後の最後でしたが、お伺いできて良かったです。そして、本当に長い間お疲れ様でございました。
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