【工房訪問】素朴さと力強さを兼ね備えたうつわ 小代焼ふもと窯

投稿者 :店長もな on

小代焼(しょうだいやき)は熊本県の小岱(小代)山麓で約400年前からある焼き物です。ふもと窯は、熊本県内に11軒ある小代焼の窯元のうちの1軒です。荒尾市の工房にお邪魔しお話を伺いました。

小代焼ふもと窯店舗

ふもと窯は井上泰秋(たいしゅう)さんが、1965年に肥後焼窯元として独立され、3年後に荒尾市にて''小代焼 ふもと窯''と名を改めたのが始まりです。現在は、小代焼の代表的な名工として、
熊本国際民藝館館長や県の民芸協会会長に就かれ、2代目の尚之さんと共に、若い作り手たちに技術を継承する場としても門戸を開かれています。


小代焼は小岱(小代)山の周辺で取れる鉄分や小石が多く含まれる土を使うことで、磁器のように高温で焼くことができるため、焼き締まり、陶器としては硬いものになります。ただし、その土も年々取れることろがなくなってきているとのこと。現在は地元の農家さんのご好意で取らせていただいているのだそうです。

ふもと窯さんの登り窯
小代焼ふもと窯の登り窯

6袋の登り窯は、小代焼の窯元の中では大規模でひとつに1,000点ほど入る大きさ。2カ月に一回登り窯で焼く窯出しでは、ふもと窯で学び独立した愛弟子たちがお手伝いに。

ふもと窯さんの登り窯見学

燃料は松薪。気象条件もさることながら、窯の位置や火の当たり具合などガス窯や電気釜よりも自然の影響が色濃く出ます。また、還元焼成という酸素を少なくして焼く方法は、窯の中で変化が現れやすいのが特徴で、二つとして同じものはなく、手作りの風合いを楽しめる作品に仕上がります。

ふもと窯さんの工房にお邪魔しました

日本民藝館館長の柳宗理(やなぎ そうり)が「雪の降ったような白」と称した釉薬。藁灰釉を掛けた後に籾殻灰釉を掛ける二重掛けをすることによって、焼成後溶けずに残った籾殻灰釉が雪のような美しい白として表れます。

醤油皿

小代焼ふもと窯お醤油皿
小代焼ふもと窯白小代の小皿

昔からのやり方を守り、木や藁を焼いてつくる釉(うわぐすり)。これは唐臼(からうす)で今でも引いているそうです。

※唐臼とは、地面を掘ったところに臼(うす)を据え付け、シーソーのようになった杵の一方に水の力や足で踏んで力をかけ、てこの原理を利用して杵を動かして釉薬の材料や土を細かく砕く伝統的な粉機。

どんぶり 5.5寸
小代焼ふもと窯どんぶり 5.5寸


自然の植物の灰から作る釉薬を重ねてかける''掛け流し''は、小代焼の特徴の一つ。深い味わいと神秘的な美を感じます。

深どんぶり 5.5寸

小代焼ふもと窯さんどんぶり通販
ふもと窯さんの深どんぶり

二代目の尚之さんは、小代焼の伝統を守りながらイギリスの陶器 スリップウェアの作家さんとしてもご活躍されています。お邪魔した際も焼き物のことなどいろいろと気さくに教えてくださいました。

「昔からある登り窯は西東に作られていて、風の流れとか計算されているんです。びっくりしたのはこの前の地震 (2016年熊本地震)で工房の近くにある自宅はすごく揺れたのですが、余震のまだある中、親父(泰秋さん)が窯が心配だからと止めるのも聞かずにここ(工房)に来たんですね。そしたらまったくなんにも被害が出てななくて、皿一枚落ちてなかったって。それだけ地盤が固いところなのでしょうね」と尚之さん。

小代焼ふもと窯工房見学

鳥肌が立ってしまうようなお話でしたが、実際こちらの工房の場所に来てみると分かります。なんだかとっても心地良い場所で、よい気が流れているってこういう場所のことかな?と
思えるようなステキな雰囲気がしました。

伺った時はちょうど桜が満開でした。(写真があまり良くないのですが...。)
はあ~、今思い出してもとっても癒される光景でした。

小代焼ふもと窯工房訪問

登り窯は10年もしくは使用100回で寿命といわれています。現在の窯は4年目だそうですが、今では九州でも登り窯を修理する職人も少なくなっているとのこと。作り手の世界でも、大きなサイズのものを作るのはかなりの腕が必要になり、大甕(かめ)などを作れる人がいなくなっているのだそうです。そのことは、例えばおいしいお醤油屋さんの味が変わったりなど、のちのち日本食の味が変わってくるのではないかな...。とおっしゃってました。

焼き物って...。本当に奥深い。日本の伝統や歴史、文化に密接に関わっているものなんだなあと、うつわ屋なのに今更ながら目からうろこ、ある意味衝撃を受けたお話でした。 

昨今の民藝ブームでお仕事が非常に忙しいとのことですが、尚之さんは一年でも早くこの道(陶芸の作り手)に入っておけば良かったと思っているそうです。

「自分は20歳から陶芸を始めてますが、親父は16歳から。若い時に身に着けた技術っていうのは年をとっても衰えないし、自分は一生追いつけないんだろうなって思います。昔の人は、色々な事情があったとはいえ、若い時から職人として入っている人も多かったので、そういうことも良い職人が生まれたってことに繋がるんでしょうね。」

作ることに真摯に向き合い考え、より自分を高める努力を続けていく。
これからもふもと窯さんから、また巣立ったお弟子さんたちが素敵な作品を生み出していくことと思います。

(このたびは、色々なお話ありがとうございました。今後の更なるご活躍を楽しみにしております!)

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小代焼ふもと窯通販


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